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ベストメンバー規定の矛盾 [サッカー]

先日広島がベストメンバー規定に違反して制裁金1000万円課せられました。
ナビスコカップに

もともとはアビスパが問題提起した(とかっこよくいっておこう)問題なのでちょっと気になりました。

アビスパだったら破産ものだし。
でもナビスコカップなんて無縁な試合なんですけど。

で,何が気になったって,その規定の趣旨自体がおかしいとかチーム事情を考慮しろとかそういう批判が目につくけど,今回それは置いときます。
趣旨自体に一定の意義はあるという前提に立ったとしても,この規定の持つ矛盾をきちんと指摘しておきたいということです。


Jリーグ規約第42条2項は,リーグ戦とリーグカップ戦をベストメンバーで臨むように規定しています。
そして,選手が怪我した場合や代表にとられた場合の規定や制裁内容など詳細を補足基準に規定しています。

何が矛盾なのかというと,この規定を制定した本来の狙いは,カップ戦を軽視した選手起用を防ぐことにあったはずなのに,第42条自体がカップ戦を軽視した条文になっているということです。

第42条〔最強のチームによる試合参加〕
第2項
「第40条第1項第1号から第3号までの試合における先発メンバー11人は,当該試合直前のリーグ戦5試合内,1試合以上先発メンバーとして出場した選手を6人以上含まなければならず,詳細に関しては「Jリーグ規約第42条の補足基準」によるものとする.Jクラブは,その時点における最強のチーム(ベストメンバー)をもって前条の試合に臨まなければならない。」

分かりますか。対象試合はリーグ戦だけでなくカップ戦も含むのに,直前5試合の基準試合はリーグ戦だけを想定しているのです。

これでは,明らかにカップ戦の選手起用は参考にできないという前提で,リーグ戦先発選手が最強選手だと自ら規定しているようなものです。
リーグ戦の先発を決めるに当たって,カップ戦の出場選手が誰だったか考えなくていいといっているわけです。
だってカップ戦のメンバーは最強じゃないから。そういう風に読めてしまいます。

今回広島は,リーグ戦の先発は明らかに規約をクリアしておらず,カップ戦で先発した選手を起用した結果(事務局にも問い合わせて承諾を得たが),規約違反として制裁を科せられました。

もしこの試合がカップ戦でなくリーグ戦だったらどうなっていたのでしょう。規約通りなら当然違反ですが,趣旨から言えば,最強で出ていたはずのカップ戦のメンバーをリーグ戦で出せないという理屈になってしまいます。
極端な話,仮にカップ戦で大活躍した選手たちを大挙抜擢したいと考えても,リーグ戦には出られない可能性もあるわけです。


これまでの経緯はいろいろありますが,選手の名前だけで興業を引っ張っていた時期は過ぎ,むしろチームが成長していくために選手層を厚くし,それがさらなるレベルアップにつながるということが重要視される時期にきています。リーグ戦とカップ戦の性質の違いも考えれば,それぞれにおけるチームとしての最強の意義も変わります。
単純な興業めあての規約ではなく,各チームがそれぞれの試合において最高の結果を出せるような規約を作って欲しいものです。


参考

第42条〔最強のチームによる試合参加〕
第2項
「第40条第1項第1号から第3号までの試合における先発メンバー11人は,当該試合直前のリーグ戦5試合内,1試合以上先発メンバーとして出場した選手を6人以上含まなければならず,詳細に関しては「Jリーグ規約第42条の補足基準」によるものとする.Jクラブは,その時点における最強のチーム(ベストメンバー)をもって前条の試合に臨まなければならない。」
(ちなみに第1項は天皇杯を含む公式試合について,「とにかく強いメンバーで出ろ」と曖昧に規定)
で42条2項の適用対象となる試合は第40条Ⅰ①~③に規定しています。

第40条〔公式試合〕
第1項 Jリーグにおける公式試合(以下「公式試合」という)とは,次の試合をいう.
 第1号 Jリーグディビジョン1(J1)
 第2号 Jリーグディビジョン2(J2)
 第3号 リーグカップ戦
 第4号 スーパーカップ
 第5号 オールスターサッカー
 第6号 前5号のほか,理事会が指定した試合

要するにリーグ戦とカップ戦を42条2項の対象試合としているわけです。




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